約 1,746,032 件
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/3056.html
削除いたしました。 長期に渡ってご掲載くださった管理人様、また拙作を読んでくださった方々へ御礼申し上げます。
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/155.html
承太郎 ジョルノ 仗助 露伴 ディアボロ ブチャチーム アブドゥル DIO様 プッチ神父 リンゴォ ジャイロ 吉良 ギーシュvs億康 荒木 ジョースター家 ギアッチョVSプッチ神父※ゼロ魔とは関係なし 世界の中心で愛を叫んだギアッチョ ツンデレギアッチョ ツンデレギアッチョ2 重天気A-GAIM: 仮面ルイズの違和感 魔少年ビーティーinハルケギニア ジョースター卿の新たな人生 ゼロ・ターボ 仗助なルイズ もし吉良のスタンドがルイズだったら ヤバイ「RUNE」がIN!! 伝説の使い魔 召還されたころの話 『トリステイン魔法刑務所』 懲りずに荒木ネタ エレオノールとシンデレラ フーケの魔法学院日記 続・フーケの魔法学院日記 The Book ブランドーの無駄話 氷 ラバーソール アレッシー ストレングス HTH ジョセフ ゼロの悪霊 ■ ファンタCM ├ 三年氷組ぶちギレ先生 ├ 三年鉄組リーダー先生 ├ 三年鉄組リーダー先生2 ├ 三年星組星屑先生 ├ 三年不死組試練先生 ├ 三年DIO組帝王先生 ├ 三年DIO組帝王先生2 ├ 番外編だよ天国教頭 ├ 3年じじい組隠者先生 ├ 三年本気組リトル先生 ├ 三年雲組お天気先生 ├ 三年説教組兄貴先生 ├ 三年親子組世界先生 ├ 三年究極組熱血先生 ├ 三年番外編波紋野球部 ├ 三年ナチス組軍人先生 ├ 三年球組ニョホホ先生 ├ 三年微熱組キュルケ先生 ├ 三年微熱組キュルケ先生2 ├ 三年雪風組タバサ先生 ├ 三年惚れ組モンモン先生 └ 三年ペド組ワルド先生&セクハラ校長&変態生徒!! ■ 座談会 ├ ワンポイントギーシュ ├ ギーシュ座談会1 ├ ギーシュ座談会2 ├ ギーシュ座談会3 ├ フーケ座談会1 ├ ルイズ座談会1 ├ ルイズ座談会2 ├ ルイズ座談会3 ├ ルイズ座談会4 ├ パラレル座談会 ├ ワルド座談会1 ├ ワルド座談会2 ├ ワルド座談会3 ├ キュルケ座談会 ├ 暗殺チーム座談会 └ シエスタ座談会 ■ ブリミルの使い魔 ├ ミスタ ├ もしブリミルの使い魔が○○だったら-1 ├ もしブリミルの使い魔が○○だったら-2 ├ もしブリミルの使い魔が○○だったら-3 ├ もしブリミルの使い魔が○○だったら-4 ├ 四人目は謎だ! ├ 『神』の息子達 ├ 記すことさえはばかれる理由 ├ こんなブリミルの使い魔には勝てっこない ├ もしブリミルの使い魔が○○だったら-5 ├ もしブリミルの使い魔が○○だったら-6 └ もしブリミルの使い魔が○○だったら-7 使い魔会議1-使い魔会議2 スタンド使いと呼ばれる作者 Q&A ルイズがいっぱい! 戻る
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/208.html
「成る程、ここが魔法とやらがある世界だというのは理解した」 少女に連れられた部屋の床に胡坐をかき、ヴァニラは憮然とした表情でベットに腰を下ろしたルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール、通称ルイズ、そして自称・ご主人様へ頷いてみせる 「分かった?平民が貴族の使い魔になるなんて普通じゃ考えられないことなのよ、感謝なさい」 ルイズの偉そうな態度に思わずプッツンしそうになるがここは堪える まだ聞きたいことがあるのに殺しては拙い、ここは冷静になるべきだ 「それで私はどうすればエジプトに、元の世界へ帰れる?」 この傲慢な貴族の小娘に構っている暇など無い、DIO様に万が一などありえないがまだ戦えるのなら直ぐにでもお傍に参じたい。切なる思いを胸に訊ねる しかしッ 「は?無理に決まってるでしょ。サモンサーヴァントで召喚された使い魔が帰れるわけ無いわ」 ルイズがさらりと告げた事実は忠誠心の塊であるヴァニラを凹ませるには十分ッ! しかしヴァニラは凹みはしなかった、逆に 「ふざけるなこの小娘がッ!!」 「きゃっ!」 突然の怒声と共に立ち上がったヴァニラに気圧され、ルイズは思わずベットの上に倒れる ガオンッ!! 「な、何よ突z・・・・」 気圧された事で貴族としてのプライドが若干傷付いたが直ぐにその考えを改めた 「・・・・何、これ?」 ベットに仰向けに倒れたままのルイズの視界に映ったのは見慣れた天井と、まるでワインの コルクを抜いたように綺麗に刳り貫かれた壁、そしてそこから覗く外の景色だった 「ちょっとヴァニラ、アンタいったい何したのよッ!?」 慌てて起き上がりヴァニラに詰め寄るが何故かヴァニラはヴァニラで驚いていた 「何だこれは!?」 長身の男が怯えたように身体を震わせるのは滑稽を通り越して異常ッ ましてやルイズにはその原因が見えないのだから尚更だ そう、原因はルイズに見えないもの 即ちヴァニラのスタンド、クリームだった 「小さい!縮んでいるのかッ!?」 この世界に来て始めた発動させたスタンドの姿は彼が子供の頃の状態に近かった もし元の大きさならルイズが倒れたところで問題なく亜空間にばら撒いていただろうが 生憎小さくなったスタンドではそれは叶わなかった 「何だか分からないけど・・・・・これはアンタがやったのね?」 ショックを受けているヴァニラにルイズは恐る恐る声をかける 「ああ、私がやった・・・」 ありえない、等とぶつぶつと呟きながら上の空で返すヴァニラを他所にルイズは 「凄いじゃないの!平民なんて使い魔にしてこれからどうしようかと思ったけどこれならキ ュルケにも・・・・・・」 泣きたくなるような小さな胸の中に青写真を描き、はしゃぎだした 「ヴァニラ!アンタこれから・・・・・あれ?」 青写真を現実にすべく使い魔に指令を出そうと現実に戻ったルイズ、しかし部屋には自分以外誰も居ない おまけにドアには鍵がかかっているし開錠もドアの開閉される音も聞こえなかった 他に出口といったら同じく鍵のかかった窓と 「・・・・・・まさか、この穴?」 壁にぽっかりと開いた穴の縁に触れてみるがとても人が、ヴァニラのような大男が通れるはずも無い 「いったいどこに消えたのよ・・・?」 ルイズの呟きは、壁に開いた穴から漏れる宵闇に、静かに溶けた To Be Continued...
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/13690.html
ジャイロ龍 カオスカレーニナ R 光/火/自然文明 (7) クリーチャー:レインボー・コマンド・ドラゴン/ハンター 4500+ Cs・ソウル ■マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。 ■このクリーチャーが攻撃する時、Cs・ソウルクリーチャーを好きな数、自分の手札から捨ててもよい。そうした場合、自分の山札を見る。その中から、こうして捨てたCs・ソウルクリーチャーと同じだけCs・ソウルクリーチャーを選び、相手に見せてから自分の手札に加えてもよい。その後、山札をシャッフルする。 ■パワーアタッカー+8000 ■T・ブレイカー 作者:赤烏 フレーバーテキスト DMWC-15 「バトルオリカ カオスvsカリスマ」統一された世界はみな一様に統一されているが、混沌とした世界はみなそれぞれに混沌としている。 収録 DMWC-15 「バトルオリカ カオスvsカリスマ」38/110 評価 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/914.html
「……ぐ、ぅ……!」 ジャイロが呻いた。 左の脇腹にぐっさりと――ワルキューレの槍が食い込み、貫通していたから。 それは腹から背中にかけて、大きな穴を穿っている。どれほどの痛みがあるものなのか。少なくとも――これからまた戦おうなどと、普通は考えないぐらい、痛いはずだろう。 ――勝負、あった。 誰もが、そう思う。すでにジャイロの傷口からはおびただしい出血があり、芝生は赤く、絨毯のように染め広がっていた。 だが、それでも――、ギーシュは矛を収めようとしない。 槍を引き抜いたワルキューレに、命令を下す。再び、……血に塗れた切っ先が、獲物に狙いを、定める。 「……ま、待ちなさい! 待って! ギーシュ!」 声を上げたのは、ルイズだった。自分の使い魔がいま、まさに止めを刺されようという場面にきて、ようやく。 取り返しのつかないことが起きていたのだということに……、気が付いたのだった。 「一撃目は……、君の動きを止めるために、放った。……だが、二撃目は違う。これで完全に……この『決闘』に。……決着を、つける」 ギーシュの視線は、貫くべき敵の心臓から外れない。 だから――この争いを止めるために、二人の間に割り込んだルイズにも、視線は、移動しなかった。 「そこまでよギーシュ! この決闘は貴方の勝ちよ! だから! もうお互いに敵意を向け合う必要は無いわ! ワルキューレを収めて!」 ルイズが宣言する――この戦いは、私の使い魔の、私達の、負けだと。 「……ぐっ。……げほォ……。……な、何言ってやがる……チビ。……ま、……まだ決着は、ついちゃいねぇ……、ぜ」 口から込みあげた血反吐を吐きながら、ジャイロが強がって見せたが。 「何言ってるのよ! そんな様で、これ以上戦えるわけないじゃない!」 何か言いかけたジャイロだったが、血を吐き出して、言葉が不鮮明なまま、途切れる。 「負けよ! あんたの負け! それでいいでしょ!? それ以上強がって、なんになるっていうの!? あんたホントに死ぬ気?!」 ルイズが、血を吐いてうつ伏せているジャイロに叫ぶ。 彼女も、知っていた。彼がこんな姿になったのは、――自分の、せいだと。 あの、とき。 ジャイロがルイズを見て、彼女に襲い来る破片を防いだから。 彼が、その代わりに、――致命的な傷を負う契機を作ってしまった。 それに、我慢できなかった。 それが、許せなかった。 自分の命令を無視する使い魔も許せなければ。 魔法が使えない、未熟なメイジである自分も許せなかった。 もし魔法が使えたなら、自分に飛んできた破片くらい、自分でどうにかできただろうに。 だから、ルイズは。この決闘を、ここで決着させたいと、思った。 終わりにしたかった。 これ以上、使い魔が傷を負う姿を――見たいと、思わなかったから。 「ここで死ぬっていうの!? 何よそれ!? こんなところで死んで、あんたに何の得があるっていうのよ!?」 その答えに。……ジャイロは、腕で見えない何かを、どかすような、仕草をした。 「……ど、」 「もう止めるの! ここで終わりにして!」 「……け。……どけ、おチビ……そこに突っ立ってると、ヤベェ、ぞ……」 そいつ……、槍を、突き出す気だ。と、咳篭りながら、ジャイロが言った。 はっと目を開いて、ルイズはギーシュを見つめた。 彼の使役する青銅の騎士が――今にも、その槍を、ジャイロの盾となっているルイズごと、貫こうとしていた。 「ギ、ギーシュ! もう決闘は終わったの! バカな真似は止めて!」 「ルイズ! どくのは貴方のほうよ! 早く逃げて!」 ルイズに、そう叫んだのは、ギーシュの後方から成り行きを見守る、……モンモランシーだった。 「な、何を言ってるのよ?!」 「ルイズ! ギーシュは! そこにいる彼は! 私達が知っている彼じゃないわ! 今の彼には! やると言ったら“やる”! 凄味があるのよ!」 『決意』と『決断』そのどちらもが、かつての彼には未熟な部分であったのだが。 今の彼はそれが、心で理解できているのだと。 モンモランシーは、それを――誰よりも彼を知るが故に、理解してしまった。 「ギーシュは止めない! 貴方がそこにいようと! いまいと! 彼が今見ているものは! 貴方の後ろしかない!」 貴方は助かる――後ろにいる彼の前に、立ちふさがらなければ。と、彼女は言ったのだった。 「……何言ってるのよ。そんなの! ギーシュが今すぐ! 止めてくれたら終わるじゃない! ギーシュ! 遊んでないでもう終わりにして! もう――」 突風が、おきた。 ルイズの右頬を、ワルキューレの槍が通り抜けたのだった。 凍りつく。この場の空気も。ざわめきも喧騒も。……このときになってようやく、周りの観客も、彼の変化がただ事ではないことを、理解した。 「暴れ馬が一頭……、猛烈な勢いで走りながら自分のほうへ向かってきた、……と、する」 突き出した槍を再び、引絞るように構える青銅の騎士の前で、ルイズは、足が震えるのを感じた。 「これを……、道の真正面でぼさっと突っ立って、……向こうが避けてくれるだろうと考えて待つ者は、いない」 いれば、それは頭が悪いか、自殺したいかの、どちらかだろう、と。 足の震えは全身に及び。……ルイズは、気持ちの悪い汗が、首元へ流れるのを感じた。 「一度だけ言おう……。ミス・ヴァリエール。これは『決闘』……何者にも邪魔はできない。僕か彼か――そのどちらかが、決着をつけねばならない」 彼が彼女を、見る。その視線は――、とても冷たいもので。喉を伝って胸まで流れた汗が、酷く気持ち悪いほど、冷えていた。 「君がそこに立って彼を守ろうとするのは――、非常に、意味が無い。……何故なら、僕のワルキューレの槍は、君を貫いて――」 ぎしゃり、と青銅が一歩、踏み出す。 「後ろの彼に止めを刺すことなど――簡単だからだ」 ルイズの体は、ワルキューレにとってすれば、張りぼての壁にすぎないと。 槍がさらに、高く掲げられた。降り注ぐように、突き下ろそうと。 「二秒あげよう……今すぐ、彼の前から、どきたまえ」 ルイズの足が、竦む。 今すぐ、ここから――彼の前から、逃げ出したかった。 彼女の言うとおりだ。彼は――、彼じゃ、ない。 私が知っている、彼じゃない。 ――怖い。 心から、そう思った。 一。 でも、足が、……動かない。 それが恐怖のためなのか。 それとも……。彼を助けようという、気持ちが、まだ折れずにいるためなのか。 彼女にも――、分からなかった。 二。 ――槍が、振り下ろされる。
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1820.html
教室を爆破した罰として、ルイズは魔法無しでの掃除を命じられた。(無論この教室は使えないため、休講となった) 「なるほど、それが『ゼロのルイズ』のいわれか」 「なんとでも言いなさいよ!どうせ私の魔法成功率はゼロよ!あんたは掃除が終わるまでどっかいってなさい」 ぷい、とそっぽを向いてルイズは一人で掃除をし始めた。 すると、ワムウが歩いてきて横に立つ。 「なによ、同情の代わりに手伝ってくれるとでもいうの?これは私の受けた罰なんだから私がやらないと。 まあ、強制はしないけどやってくれるっていうなら別に手伝ってもいいわ」 無言を肯定と受け取ったルイズ。 「じゃあ、あんたはあっち側をお願いね」 しかし、動かない。 「なによ?手伝ってくれるんじゃなかったの?」 「少し待て」 ぶっきらぼうに返すワムウ。 ワムウは小型の竜巻を作る。そしてッ!その竜巻は部屋中のほこりを一箇所に集めていったッ! 「……すごいじゃない、亜人のくせに私より魔法みたいなことができるなんて…」 「俺を召還したんじゃなかったのか?使い魔は主人の能力を示すというがそれならば大したメイジとやらだといえるんじゃないのか?」 「…努力したって、練習したって、どうにもならなのよ!生まれてこの方、まともな魔法なんて成功したことないのよ!」 「努力、か。我々には縁のない言葉だな」 「そうよ!あんたみたく才能だけでそれだけやれるような奴とは出来が違うのよ!」 ルイズは目に涙を浮かべる。 が、それを無視してワムウは語りつづける。 「そうだ。我が風の流法は天賦の才。我々一族はそういった能力を生かして戦ってきた。だが、多少荒削りでもありのままの能力を生かす のは貴様ら人間の方が上手いのではないだろうか?俺が今までに戦ってきた戦士たちにも波紋の強さ、弱さなどはあったが、決して自分の 本質を見失い、闇雲に攻撃してくるような敵は手ごわくない。が、自分の弱ささえも武器にする、そういった人間が手ごわいのは 二〇〇〇年間変わっていなかった。俺が負けた相手も、波紋の強さは数々の勇士とは劣っていたが、自分の本質を最大限に生かしていた」 この大男が負けたと聞いて、ルイズは唖然とする。 「あ、あんたが負けたって?『はもん』とか、よくわからないけど……そいつはなにかすごい能力を持ってたの?」 「目に見える能力だけなら、我々が戦ってきた者の中でも一般的な強さであっただろう……しかし、奴の武器は状況、怪我、道具、 能力、相手、自分全てを利用する、そういったしたたかさであった。これに敵う人間、いや我々を含めてもそんなのは数少ないだろう そして、そういったしたたかさ、というのはどんな能力だろうと発揮できる。お前の『爆発』も天賦の才、違うか?」 「そ、そうやって、高い目線で私をバカにして!励ましになってないんだから!」 言葉とは裏腹に機嫌を戻したのか掃除を再開した。 「あ、あの~」 入り口のあたりにメイドの女性が立っている 「あら、どうしたの?確かあなたは、メイドの…」 「シエスタです、ミス・ヴァリエール。あの、掃除など私めに頼んでいただければ請け負いましたのに」 「いいのよ、これは私の罰なんだから私がやらないと」 「じゃ、じゃあ手伝わせてください!」 「せっかくだけど、私の失敗が原因だし、責任くらい私が果たさないと」 「で、でも隣の…ええと…貴族様…じゃないですよね…?」 「ああ、あいつは私の使い魔よ、どうしても手伝いたいって言うから手伝ってるだけよ。貴女がやらなくても構わないわ」 ワムウは風でゴミを集めつづけている。 「いいえ、やらせてください!私もどうしても手伝いたいんです!」 といってシエスタは有無を言わさず部屋に入り込み掃除を始める。 数十分後にはほとんど片付いていた。 「ミス・ヴァリエール、掃除は終わりましたか…って貴女!魔法は禁止したはずですよ!」 「え、違います、これは私の使い魔がおこした風で……ねえワムウ、そうで…」 ワムウは既に居なかった。 「ちょっとぉぉおおおおッ!どこ行ったのよあの木偶の棒はぁあああッ!」 「貴族たるもの、掃除を手伝ってもらうくらいはいいでしょう、しかしミス・ヴァリエール!今のは魔法を使っていたのに 一方的に嘘をついていたように見えたわ!貴族のすることではないッ!」 「え、ち…違いますわ!」 「いいわけ無用です!ふたりとも、ふたりともあとで罰を与えるわ!」 説明には掃除していた時間よりも多くかかった。 * * * 寮の廊下を歩いている二人。 「ふう、ひどい目にあったわ…貴女も災難だったわね、ごめんなさい」 「い、いえ、そんな!貴族の方が私なんかに謝らないで下さい!」 「そんな貴族だとか平民だなんて関係ないわよ。あなたの好意で手伝ってもらったのに、迷惑かけちゃって… あなたにもまだやることはあったんでしょう、ごめんなさいね」 「い、いえ、仕事なんかもうありませんよ、その……もうすぐ貴族の方の家に専属で勤めることになっていて…」 シエスタが続きを話すのを止める。ワムウが部屋の前に立っていた。 「あ、あんた!どこ行ってたのよ!あのあと説明とかすごい大変だったのよ!」 「俺の風で集められるゴミはあらかた集め終わった。あいにく不器用なんでな、残りはそこのシエスタにやってもらった方が 効率的だっただろう?力仕事は先に終えていたしな。俺の仕事が終わったら俺の好きにさせて構わんだろう」 「そうじゃなくて!あんたのあの風が魔法と間違われたのよ!先住魔法の類だって言って誤魔化しておいたけど… あんたのその風の仕組みを知らないんだから説明だって難しいわよ!だいたい、窓から出て行ったのにすぐ見えなくなったなんて」 「少々日差しが強かったんでな、プロテクターを纏っていたからな」 「『ぷろてくたー』?なによそれ、よくわかんないけど今日はあんたの能力について教えなさいよ!いい、わかった?」 「教えてやるから扉を開けてくれ、扉や壁を壊されては困るんだろう?」 ブツブツといいながら扉のカギを開ける。 ワムウがすっと中に入っていく。 「さ、話の続きは中でしましょう。よくわからないけど、今は特にやることがないんでしょう?」 「え、ええ。ではお邪魔しますわ、ミス・ヴァリエール」 先ほどの話に入る。 「えーと、どこかの貴族に専属で勤めることになったんですって?」 「ええ」 「どこに勤めるのかしら?それくらいもう聞いているでしょう?」 「それが………その……モット伯というところで……」 ルイズは唖然とする。 「も、モット伯ってあの変態ドスケベオヤジ?」 「そ、そんなミス・ヴァリエール、そんな言葉をおっしゃらないでください」 「で、でも…貴女だってモット伯の評判くらい聞いているでしょう?断れないの?」 「私たち平民が貴族様に抗うなんて…私にもタルブに家族が居ますから…」 場が重くなり、二人の口は止まる。 シエスタが先に口を開く。 「でも、残り数日間ここで生活ができますから、思う存分その間は楽しませていただきます」 「じゃ、じゃあね、あさって一緒にでかけない?綺麗な湖が森の方にあるんだけど」 「本当ですか!じゃあ、お言葉に甘えて、ご一緒させていただきます……あら、もうこんな時間ですので部屋に戻らないと… 楽しみにしてますわ、ミス・ヴァリエール。」 シエスタは出ていき、扉が閉まった。 「おい、ルイズ、シエスタが言っていたモット伯とやらはどんな人間なんだ?」 「クズもクズ、貴族の風上にもおけないクズよ!いろんなところから目をつけた平民の女性を逆らえないことをいいことに 屋敷に連れ込んで、ご禁制の薬やらなにやらを使っていろいろやっているらしいけれど、王宮直属の国吏でそうそう手は出せないのよ」 「そうか、ではそんなクズは生きていても仕方がないな」 話を聞き終えたワムウは、 ワムウは窓を開け出て行こうとする。 「待ちなさい、これは命令よ。いくらクズでも貴族ですし、王宮直属の国吏なんか殺したらあんたの死刑は確実、わたしだけじゃなく シエスタも含めて使用人たちにもなにか罪を科せられるかもしれないわ」 「人間どもの社会は面倒だな、ならば死体さえ残さない『事故』にすればいい。体ごと取り込んで食えばそれも可能だ」 「ダメといったらダメよ。これはね、あんたのことも心配して言ってるのよ。とにかく、そのルーンがあって私の使い魔である以上命令は聞いてもらうわ」 それを聞いたワムウは質問で返す。 「ルーンがなければいいんだな?」 「無理よ、使い魔の契約は死なないと切れ……」 ワムウは、ルーンの刻まれた左手の甲を、切り落とした。 「なにをやってんのよワムウゥウウウッ!手首はともかく理由を言いなさい!なんでそんなにあのシエスタにこだわるのよ?」 「主人が恩を受けた以上、使い魔がその義理を返すのは当然だ、違っても今更曲げる気にはなれん」 ワムウは、窓から夜の闇に飛び去った。
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/215.html
この世に『魔法』や『マジック』なるものが存在すると思います? 手品とかそういうのじゃあなくて、手を振りかざしたら炎が出るとか、そんな不思議な力のことです。 ファンタジーやメルヘンじゃあ あるまいし、そんなもの存在するわけがないと答える人が殆どだと思います。 あ、申し遅れました。 僕の名前は広瀬康一。今年4月に入ってから18歳になったばかりの高校3年生です。 まー、僕のプロフィールなんて覚えてくれなくても結構ですけどね。 肝心なのは、僕の名前でも歳でもなく、僕が持っている不思議な能力なんです。 『スタンド』という、超能力に似た能力で、僕が住んでいる杜王町には『スタンド』を持った人間が沢山住んでます。 この能力は、一般の人には見ることも感じることもできません。 だから、一般人相手には知らぬ間に傷をつけたり、物を盗んだりと、色々と好きほーだいできちゃったりします。 もっとも、僕は『スタンド』を悪用することはしませんけどね。 ところで、先ほど話したことですが、『魔法』の存在を信じますか? 僕は信じます。なぜなら、僕はそんな不思議な力が普通に使われてる世界に来てしまったからです。 いわゆる、『魔法の国』という所に。今考えれば、それほど在りえない話でもなかったんです。 なぜなら、僕も『魔法』に似た、『スタンド』という能力を持ってるのだから――。 ――ACTの使い魔―― 桜の花びらがシャワーのように降り注ぐ並木道。 桜だけでなく、タンポポやつくし、動物までもが浮かれるような春真っ只中の道を康一は歩んでいた。 いつも自分の周りに取り巻いてくる露伴や由花子の姿はなく、一人孤独に高校から自宅へと続く道を進んでいる。 家に戻ったらボケ犬の散歩や、山のように出された宿題を片付けなければならないため、その足取りはやや速い。 しかしこの後、康一が自宅に戻り、犬の散歩や宿題を片付けることはなかった。 自宅まで、後1km程という地点で、康一は『不思議な物体』を発見した。 体言するならば、キラキラと光る鏡のようなものと言ったところである。 幅1メートルぐらいの楕円形をしており、ほんの少しであるが宙に浮いている。 一般人ならば、これは一体なんだろうと思い、戸惑うところであるが康一は違った。 この鏡を発見した時に、康一が最初にとった行動は、自分のスタンドであるエコーズACT3を構えることだった。 道端に突如現れた、不自然な鏡のような物体。 こんな自然現象は見たことがないし、宙に浮いた物体なんて聞いたこともない。 ただ一つ、可能性があるとすれば、これがなんらかのスタンド能力であることだ。 スタンド能力であるならば、充分に注意して調べなくてはならない。 ましてや康一は、今まで新たなスタンド能力やスタンド使いには、嫌というほど危険な目に会わされている。 変な髪をしたキッチリ屋に矢をぶっ刺されたり、 姉を手篭めにしようとした変態バカ男に心の錠前を掛けられたり、 思い込みプッツン変人女に髪の毛で拉致されたり、 蜘蛛を平気で舐める変態漫画家に本にされたり、 手フェチの変態殺人鬼に殺されかけたり、 人のパンティーを勝手に取り出す変態少年に紙にされたり……。 大抵ロクな目に会っていないため、嫌でも警戒心は高まるものだ。 康一は、地面に落っこちていた石コロを拾って、鏡のような物体に投げてみた。 石ころは鏡の中に消えた。鏡の裏を見ても、何も落っこちていない。 次にエコーズACT2の尻尾の部分を恐る恐る鏡の中に入れてみた。 そのまま自分の元へエコーズACT2を戻しても、尻尾には何の変化もなかった。 この結果、この鏡のような物体は、どこか他の場所へ続いている『異次元への扉』のような物であると推測できた。 ここで康一は悩んだ。これからどうするべきか? 仗助や億泰などを呼んで、これが何なのか詳しく調べた方が安全であるが、目を離したスキに消えてしまったら元も子もない。 エコーズの尻尾を入れても何の変化もなかったことから、ちょっとくらいなら中に入って調べても大丈夫そうだった。 康一は、恐る恐る鏡の中に入り、中を調べようとする。 その瞬間、康一の体中に稲妻が走るような激しいショックが流れた。 ヤバイと思った時にはもう遅かった。後悔先に立たずとはまさにこのことである。 康一は、全身に痛みが走る感覚を覚え――そのまま気絶した。 「――で平民を呼び……する…」 「ちょ……間違った……」 大人数の人間の笑い声、女の人の話し声が康一の頭の中で響く。 浴びる程酒を飲んで、翌日、二日酔いで頭がズキズキするあの感覚の中で、康一は目を覚ました。 「ううっ……」 康一は頭を抑えながら、顔を上げて辺りを見回した。 黒いマントをつけた人間が、物珍しそうに康一のことを見ていた。 自分の目の前には、桃色がかったブロンドヘアーの女の子がいる。 透き通るような白い肌をしており、まるで人形のように美しかった。 「さすがはゼロのルイズだ!」 そう言って、爆笑の荒らしが沸き起こる。 そんな爆笑の渦の中、康一は何が起こってるのかわからず、ポカーンとしていた。 (ここはどこ? 外国? 異次元? スタンド攻撃? スタンドが作り出した幻? まさか夢ってことはないと思うけど……) 康一は、自分の頬っぺたを抓る。当然だが痛い。 夢ではないようだ。ということは、やはり何かのスタンド攻撃なのだろうか? 「ミスタ・コルベール!」 目の前に居た、ルイズという女の子が怒鳴った。 人垣の中から、変な中年男性が現れて、なにやら言い争っている。 その中年男性は、真っ黒なローブに大きな杖を持っており、まるでファンタジーに出てくる『魔法使い』のようだった。 中年とルイズの会話の内容は、康一には訳のわからない単語ばかりが飛び交っている。 『召喚』だとか、『使い魔』だとか、傍から見れば、頭がイカれてるんじゃあないかって会話である。 「平民を使い魔にするなんて聞いたことがありません!」 再び、康一の周りで爆笑の渦が巻き起こる。 そんな爆笑を無視して、康一は一体何のスタンド攻撃なのかずっと考えていた。 しかし、スタンド攻撃だったとしても、こんな訳の分からないスタンド攻撃なんて聞いたことがない。 幻を見せるにしても、康一を攻撃する目的なら、もっと凄まじい幻を作るはずだし、 何かの空間を作るスタンドだったとしても、こんなに大人数の人間が、スタンド空間の中に存在するのは不自然だ。 ありえそうなのは、『相手をどこかに瞬間移動させる』スタンドだ。 それならば変な格好をしている、大勢の人間に囲まれているのも辻褄が合いそうだ。 「ねえ」 「……」 ルイズが康一に話しかけるが、反応はない。 「ちょっと、聞いてんの!?」 ビクっと体を反応させ、組んでいた腕を解き、康一はルイズの方へと向いた。 「あ……は、はい!」 「あんた、感謝しなさいよね。 貴族にこんなことをされるなんて、普通は一生ないんだから」 貴族? 貴族ということは、どこかの外国の国だろうか? しかし、さっきからこの人たちは日本語を喋っているみたいだし……。 そんな風に康一が思っていると、ルイズが康一の目の前で杖を振り、 「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。 五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」 と呪文らしき言葉を唱えた。 そして、ゆっくりと唇を近づけてくる。 「え!? あ、あのー、何をす……」 「いいからじっとしてなさい」 そう言って、ルイズは康一の頭を左手で掴む。 「ちょ、あの、僕には、いちおう恋人がいて――」 「ん……」 ズキューンという効果音が康一の頭の中に響く。 「な、なんて……ことを……」 ファーストキスではないが、康一は見知らぬ女性とキスをしてしまった。 もしこの光景を髪の毛を自在に操る彼女が見ていたら、どうなっていただろうか。 康一は、この場に由花子がいなかったことに、心のそこからホッとした。 しかし、ホッとしている場合ではないことにすぐに気が付く。 「い、いきなり何をするんだ! ぼ、僕には恋人がいて、もしこの光景を見られてたら――」 ルイズはそんな康一の言葉を無視するかのようにそっぽを向いた。 その態度は無いんじゃない? と思いながら、左手の甲をさする康一。 (……? 何で僕、『左手の甲』なんてさすってるんだ? それに妙に体が熱くなってきたような――) そう思った瞬間、康一の体が炎で燃やされたように厚くなった。 「う、うわあああああッ! 体が熱い!」 (何で急に体が!? スタンド攻撃? まさか目の前にいる、僕より歳が低そうなこんな少女が本体?) そんな康一を気にする様子も無く、ルイズは苛立った声で言った。 「すぐ終わるわよ。待ってなさいよ。『使い魔のルーン』が刻まれているだけよ」 「使い魔のルーン? それがキミのスタンドの名前か? いくら女の子だからって、この攻撃をやめないと、こっちも攻撃するぞ!」 「は? スタンド? 何言ってるの?」 「くっ、エコーズACT3ッ!!」 康一は、エコーズACT3を呼び出して、ルイズにFREEZEの攻撃をしようとした。 しかし攻撃する前に、体中の熱が嘘のように消え、平静を取り戻せるようになっていた。 スタンド攻撃をやめたと思い、康一もFREEZEで攻撃するのをやめる。 「ハァハァ……。キミは一体何者なんだ! なぜ僕をここに呼び出した! 僕の体に何をしたんだ! ここは一体どこなんだッ!」 「ったく、色々とうるさい使い魔ね。 ここはトリスティンよ! ここはかの高名なトリスティン魔法学院!」 トリスティン? そんな地名、外国にあったかな? いや、その前に魔法学院? そんな学院なんてあるの? 手品の練習でもするのかな? そんな風に康一が思っていると、中年男性が人垣に向かって言った。 「さてと、じゃあ皆教室に戻るぞ」 中年男性はきびすを返すと、宙に浮いた。 他の生徒も、一斉に宙に浮き、城のようない石造りの建物へ飛んでいった。 康一は、その光景をポカーンとした表情で見ていた。 そして、すぐに我に返り、 「と、飛んだ……! ねえ、ちょっと! あの人たち宙に浮いたよ!」 と、宙に浮いている人々を指差して言った。 「ルイズ、『フライ』はおろか、『レビテーション』さえまともに出来ないんだから、歩いて来いよ!」 そう言って宙に浮いてる間も、ルイズをバカにし笑いながら飛び去って行く。 ルイズはその光景を、歯軋りしながら睨み付けていた。 そして、最後に残された面々は、ルイズと康一だけになる。 ルイズは、ため息をつき、康一の方に振り向いて怒鳴った。 「あんた、なんなのよ!」 「こっちが聞きたいよ! キミは一体何者なんだ! さっきの人たち宙に浮いたけど、全員スタンド使いなの!?」 しかし、ルイズは全く何のことか分かっていない様子であった。 「そりゃ飛ぶわよ。メイジが飛ばなくてどうすんの。 それより、さっきからスタンドスタンドって、一体何のことよ?」 しらばっくれてるのか? いや、もしかしたら単にスタンドという言葉で呼んでないだけかもしれない。 そう思い、康一はエコーズACT2を出す。 「こういう能力のことだよ。 僕はスタンドって呼んでるんだけど」 しかし、ルイズは?マークを浮かべるだけで、首を傾げている。 目の前でACT2の拳を振り上げても、驚く様子も、構える様子もない。 演技をしてるようにも見えない。本当に見えてない様子だった。 「キミ……見えてないの?」 「はぁ? 召喚した時に頭でも打ったの?」 「……」 じゃあ、何故こんな所にいるのだろう? 彼女じゃないとしたら、一体誰が? そう思った康一だが、ルイズが言った『召喚』という言葉が引っかかった。 「あの、今『召喚』って言ったけど、それって何のこと?」 「私が呼び出したのよ。 さっき儀式をしたでしょ? あんたは私の使い魔になったっていうこと」 康一はさっきの鏡のことを思い出した。 あの鏡は、この子が行った『儀式』で現われた亜空間のようなもので、その中に入ったからこうして召喚されたのだろうか。 しかし、康一はこの現実をあまり認めたくはなかった。 いきなり道端に現われた変な鏡を通ったら、そこはファンタジーの世界でした。なんて話は聞いたことがない。 「ハ……ハハ……まさか……大体、使い魔って言ったけど、僕は人間だよ? 冗談きついなぁ~、もう……」 「私だってこんな冴えない生き物は嫌よ……。もっとカッコいいのがよかったのに。 ドラゴンとか。グリフォンとか。マンティコアとか。せめてワシとかフクロウとか、この際、犬でも」 犬以下と認定された康一は、少しだけ悲しくなった。 そして康一は察した。この子はおそらく召喚ってやつに失敗して、僕を呼び出してしまったんだと。 さっき周りの人間たちに大笑いされていたのは、人間である自分を呼び出したからだろうと。 「はぁ……そうですか……」 全てを察した康一は、深くため息をつき、ガックリと肩を落とした。 「ため息つきたいのはこっちよ! とにかく、私は今日からあんたのご主人様よ!」 そう言われて、康一は再び深いため息をついた。 大和撫子のような、大らかでやさしい女性に召喚されたならともかく、 由花子と同じくらい扱いにくそうな女性に召喚されたとなったら、これからどんな気苦労があるか分かったものではない。 「ちょっと、聞いてるの!? 私は二年生のルイズ・ド・ラ・ヴァリエール。覚えておきなさい!」 「はぁ……えーと、ルイズさんですね……。 僕は広瀬康一って言います」 「変な名前。呼びにくいから 犬 って呼ぶことにするわ」 (犬は酷いよなぁ……。 はぁ~、何で僕、自分より年下っぽい女の子に敬語使ってるんだろ?) こうして康一は、ファンタジー世界へと呼び出された。 なお、これからもっと酷い苦悩に悩まされることになるが、この時の康一は全く気づいてなかった。 To Be Continued →
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1957.html
油断した、やはりあの鏡はスタンド攻撃だったか… 確かにさっきまで僕はイタリアのアジトにいたはずだが今いる場所はどうだ。 どちらが上か下かも分からない、いやそういった概念が無い場所と言った方がいいだろうか。 ともかく現在僕は、落下し続けている最中なのだ。それだけはハッキリと分かる。 次第に目の前が明るくなっていった空間が、意識を失う寸前に見た最後の光景だった。 なんだろう、笑い声が聞こえる。ここはどこだ?イタリアからそう離れていなければいいんだが… ゆっくりと、全神経を集中して上半身を起こしてみる。スタンド使いが近くに潜んでいるやもしれない。 細心の注意を払う…必要は無かった。取り囲む少年少女の傍には必ずとしてスタンド像が見える。 全員がスタンド使いとは…“一手”、遅れたか。 ここから一旦距離を取らなくては。出来るだけ遠くがいい。 しかし朦朧とした意識の中次に聞こえてきた言葉は、すぐ傍にいた(多数のスタンドに気を取られて気づけなかった) ピンク色の髪の少女の口から発せられた。 「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。 五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ……」 油断とは続くものだ。次の瞬間その少女は何の躊躇いも無く唇を合わせてきたのだ。 それがスタンド発動の条件か。 「くッ、身体が……燃えるように熱いッ……」 同時に左手の甲に記号が刻まれるのを目に焼き付けながら、再度気を失ってしまった。 くそ…“二手”遅れた… 次に目を覚ました時いた場所はやはりいつもの場所では無かった。夢などと都合の良いようにはいかないのは充分承知。 今はこれまでの経験を充分に役立てる事が先決だ。決まっている、まずは“逃げる”だ。 「あ、目を覚まされたんですね!」 くッ、次から次へと敵が現れる。次は何のスタンドがでてくるんだ一体。 ドアを開け入ってきたのは一人のメイド。歳は…僕に近いようだ。 「お体は大丈夫ですか?どこか具合の悪いところはありませんか?」 やけに悪意を感じられないメイドだ。しかし注意を怠ってはならない。 予想にもしないスタンド攻撃が無いとは言い切れない。 「ここはどこだ?」 「ここはトリステイン魔法学院です。あ、申し遅れました。私、この学院で小間使いをさせてもらっています、シエスタと申します。 …学院中大騒ぎでしたよ。ミス・ヴァリエールが平民を使い魔にした、っていう。」 なるほど、あのスタンド攻撃がそれか。…人一人を使い魔にするだと?馬鹿馬鹿しいスタンドだ。 発動条件はあれど制限が見当たらないあたり、非常に強力なスタンドであることは間違いないな。 それにしてもトリステイン魔法学院?・・・ふざけた名前だ。どこかの宗教団体と関係するものだろうか? だとしたら厄介だな。国を相手にすることに繋がるかもしれない。 少なくともイタリアでは無いわけか、ここは。 ファミリーはミスタとトリッシュに参謀を任せてあるから一通りは普段通りに動いているはず。 だが急に行方を眩ました僕を探す為奔走しようとしているのかもしれない。 希望は“僕を探さない”だが、ミスタ達の性格を察すればそれは無駄だろう。 しかし闇雲な行動が危険であることはあの二人もこれまでの経験から承知のはず。 とにかく今は早くイタリアに戻る方法を見つけなければ。 鏡台に突っ伏せているさっきの女を見つけた。通常スタンドは本体を叩けば消えるはず…しかしだ。 1.“使い魔”とされた僕が“主人”であるこの女に手を出した時に危険が及ぶのだとしたら。 2.無事“主人”を倒した後も“使い魔”の属性が消えず、例えば決められた領域から外に出られなくなる、等の移動制限がかけられていたら。 以上二点が最大の疑問だ。不用意に手を出すべきではない。 そしてもう一つ疑問が。 「このベッドは彼女のものだろう。何故彼女はあそこで寝ているんだ?」 「ミス・ヴァリエールは一晩中寝ないであなたを看病していたんですよ。 きっと疲れているんです。」 …理解できない。他人を“使い魔”にするスタンドから見れば本体の性格は恐らく支配欲の塊。 その性格があってこそあのスタンド攻撃が成立するはずだ。 ならば何故僕に対して手厚く世話をする必要がある? しばらくして目を覚まし、むくりと起き上がった少女はこちらに詰め寄り、開口一番にこう言った。 「ま、ま、まさか、へ、平民の人間なんかが使い魔になるなんて思いもしなかったけど こ、これも何かの縁だと思って諦めるわ。今日、この時よりあなたは このルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの使い魔なんだから。よろしくお願いね。」 「僕は敬意を払いたくもない自分より年下の女の子の使い魔なんかになりたくないね。 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。」 「名前を呼ぶならルイズでいいわ。でも使い魔の願いなんてご主人様であるこの私が聞けると思う? こっちだってまさか人間が召喚されるなんて思ってもみなかったわよ! もうどうしようもないことなんだからあなたも受け入れなさいよ、もう!! だいたいあなた歳は幾つなのよ!?」 そこへシエスタが止めに入った。 「ミス・ヴァリエール。そろそろ朝食の時間です。用意をした方がよろしいかと…」 「ああ~!もう、分かってるわよ。ええっと、あなた。名前はなんて言うの? ずっと“あなた”で呼ぶのもどうかと思うわ。名前を教えなさい。」 「……ジョルノ。ジョルノ・ジョバァーナだ。歳は15。」 「変わった名前ね。しかも私より1つ年下じゃない、敬語を使いなさい。そもそも年上である以前に私は貴族なのよ、平民。 まだあったわ、あなたは使い魔で私はご主人様。…3つも理由があるじゃない。」 僕より1年先に生まれておいて常識知らずとは頭が下がるね。 「じゃあまずは使い魔としての最初の仕事を与えるわ。ジョルノ、着替えさせて。」 「…お断りします。」 「言ってくれるじゃない。じゃああなたは他に使い魔としての能力を持ってるの? いいえ持っているわけないわよね。既に試してみたけどあなたには主の目となり耳となる能力も無いようだし、 主が必要とする秘薬を捜してくる能力も無ければ、主を守ることも出来そうに無いわね、だってあなたは平民ですもの。 だからあなたには使い魔としてとても簡単な仕事を与えてあげることにしたの。 掃除、洗濯、着替えがあなたに与えられた仕事よ。文句を言わずにさっさとしなさい。」 よくもここまで噛まずにスラスラと喋られるものだ。 しかし流石に僕でも…もう限界だッ…… 「…嫌だと言っているッ!」 「はぁ?これから誰があなたを養うのか分かってるの? あなたは使い魔の癖に何もせずタダ飯を喰らうつもり!?」 「これ以上君の理不尽な話を聞き続けるのは精神的に参るね。 どうしても言うことを聞かせたいのなら君のスタンドを使って思い通りにしてみればいいじゃないか。」 「何を訳のわからないことを…ああもう遅刻しちゃうじゃない! もう、今回だけは大目に見てあげるけど今日の夜を覚えておきなさい!誰が上で誰が下なのか再認識させてあげるわ!」 スタンドが分からない・・・?まさかそんな。いや、試してみる価値はある。 像をイメージする。天道虫をモチーフにした人型のクリーチャー、スタンド名:ゴールド・エクスペリエンスが目の前に現れる。 「これが見えないのですか?」 静かに佇み前だけを見据えるG・Eを指差して聞いてみる。 スタンド使いならばスタンドが見えるはず。 「何言ってるのよあなた。まだ意識が朦朧としてるんじゃないの? そうか、だからまだ使い魔としての認識が…」 「ゴールド・エクスペリエンス!花瓶をアヒルに変えろッ!」 命令と同時に降り落とされる腕は正確に彼女の傍にあった花瓶を殴りつけ、ドグシャアと音を残す。 花瓶は衝撃を受けて宙に舞う。 「きゃあああっ!あなた、人の物に何して……え?確かに花瓶は吹っ飛んだのにジョルノは一歩も動いてない…何故!?」 「ミ、ミス・ヴァリエール、かかか、花瓶が!」 ゆっくりと、花瓶は粘土細工のように形を変えていき、やがて絨毯の上を歩き回るアヒルそのものに変化した。 アヒルから目を離せない二人はどうやら、本当にスタンド使いでは無いようだ。 G・Eに部屋内の生命エネルギーを感知してもらっているが、欠片ほどのエネルギーも新しく発生しないし 彼女らのスタンドを出して身を護ろうとする動作すら行われない。 「こ、これ、なんていう魔法なの?生き物を“創り出す”魔法なんていままで見たことも聞いたことも無いわ…」
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1376.html
朝食も済ませ、つやつやとした顔色のルイズは、キラークイーンを従え教室へと向かっていた。 余談だが、朝食の席でルイズがキラークイーンに食事が必要かどうか試すために与えたパンの欠片は、やはり必要ないと判明。 ついでとばかりに能力実験も行い、爆弾にされ投げ捨てられた。 ・・・それがギーシュの朝食に当たり、彼のそれが吹き飛んだことはまた、別のお話。 ここでは彼の色男っぷりが上がったということだけを記しておこう。 「ああん、ワイルドなギーシュも素敵よぉ~」 「ケホッゴホッ・・・ありがとう、モンモランシー。しかし一体何なんだ?」 ・・・ケッ!色気づきやがって・・・おっと失礼。続きといきましょうか。 そんなこんなで扉の前。 教室へ入ったときのみんなの反応を想像(多分に妄想を含む)しながら、 そのためににやつく顔を必死で抑え・・・ざわめく教室へと踏み込む。 ・・・。 それまで騒がしかったその場が一瞬、静寂に包まれた。 「ゼロが成功・・・。」 「ありえねえ・・・。」 「しかもわりとまともな・・・。」 しかしそれも一瞬のこと、すぐに失礼にも程がある声がいくつも聞こえてきた。 妄想世界の住人となっていたルイズには少々キツイ洗礼である。 しかしさすがにゼロと呼ばれ続けた少女。 このような場合を無意識に想定していたためか、いきなりブチ切れるといった失態は見せない。 しかしくやしいものはくやしいし、ムカつくものはムカつく。 内心は穏やかではなかった。 その怒りは授業の最中にも燻り続け、普段ならばありえない態度となって表れていた。 「ミス・ヴァリエール?ちゃんと授業に集中なさいね。」 「あ・・・すみませんでした・・・。」 「ルイズ~授業くらいはちゃんと聞けよな、ゼロのルイズの唯一のと・り・え・なんだからさぁ~。」 「こ、この・・・風邪ッぴきの分際でッ・・・!」 「僕はッ!風上だッ!二度と間違えるな!」 「あらあら、間違えるなと言うのなら、やっぱり風邪っぴきよ。」 「風上だと言っているッ!!」 「お二人ともいい加減になさい!誇り高き貴族たるもの、そのようなくだらない言い争いは控えるものです。」 「「・・・すいませんでした。」」 「よろしい。では・・・ミス・ヴァリエール。話を聞いていなかった貴方に錬金を命じます。 それで帳消し、ということにしておきますから。さて、何か聞いておくことは?」 「いえ、問題ありません。」 「先生ッ!?それは・・・危険ですっ!!」 「そうです、なんなら代わりに僕がっ!」 キュルケを筆頭に皆が叫ぶ。 「黙りなさい!・・・先生、この私にお任せを。」 優雅に一礼すると、ルイズは教卓に歩み寄った。背後にはキラークイーンが憑いている。 「ときにミス・ヴァリエール・・・先ほどから気になっていたのですが、何故使い魔を?」 「そういう性質なんです。」あらヤダ。この娘、嘘ついた。離れてもムズムズするだけなのに。 カワイソーだけど数秒後には粉微塵になってるのね・・・という視線が幾つもそそがれている石ころ。 だがそれも少しの間だけのこと、ルイズが杖を構えるころには皆、机の下に避難していた。 一部、教室外に逃亡した者もいるようだ。 そして・・・ついにルイズが魔力を込めて呪文を唱えたッ! ドッグォオ~ン!! 石が爆ぜ、机も巻き込んで吹き飛んでゆく! ミセス・シュヴルーズも吹っ飛んだ!さながら壊れた人形のように! ルイズにも破片が襲い掛かる! しかし・・・キラークイーン! この程度の衝撃、破片など恐るるに足りぬ!見事に全てを防ぎきった! 「・・・ちょっと失敗しちゃったみたいね。」 「「「「どこがだっ!」」」」生き残りからの突っ込みが入る。 幸運にしてミセス・シュヴルーズは気絶しただけであり授業は中止。 元凶であるルイズに下った罰は教室の掃除であった。 「細かいのはいけるとして、こういう大きいのは・・・キラークイーン、まとめてやっちゃえ!」 使い魔を駆使して掃除を終えたルイズは、しかし昼食に間に合うことはなかった。 「うぅ・・・お腹空いた・・・。」まるで幽鬼だ。 ふらふらと行くあてもなく彷徨うルイズ。行き着いた中庭で落ち込んでいた。 「あ、あの・・・。」 今にも誰かを道連れに自殺しそうな雰囲気のルイズに、一人のメイドが声をかけた。 何のことはない、メイド仲間に無理矢理行かされたのだ。 ↓経緯 「彼女よね?食べそびれたのって。何かお出しした方が・・・。」 「で、でも恐い・・・。」 「シエスタァ・・・お願い。」 「わっ私ですか!?」 「「「お願い!」」」 「うぅ・・・。」 かくして彼女に白羽の矢が立った。
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/5917.html
前ページ/ゼロの使い/次ページ 一瞬で自室に到着した彼女はまさに開いた口が塞がらなかった。 「さて、ここなら落ち着いて話も出来よう。まずはここがどういう世界で、お前が何者かを聞かせてくれ。」 唐突に出た使い魔の言葉を聞き、ようやく彼女は我に返った。 普段なら「使い魔の分際で~」となる所だが、せっかく呼び出した虎の子の超強力メイジ。 せいぜい機嫌を損ねまいと、彼女は「通常より」丁寧に返事した。 「この世界はハルケギニア。そしてここはトリステイン国の魔法学院よ。」 「ほう・・・やはりここは異世界であったか・・・」 「私はルイズ・h・・・」 「なるほど、ルイズか。」 「ちょっと!最後まで聞きなさいよ!!」 「長くなりそうなのでな。で、何の用で私を呼び出した。」 「むぅ・・・使い魔とするためよ。主人と感覚を共有したり、秘薬の材料を探したり、主人を守ったりするの存在よ。」 「そうか。で、契約の期間は?」 「使い間か主が死ぬ時まで。」 「つまり永久にお前の手足となるわけだな。」 「そういう事になるわね。他に質問は?」 「いや、今はそれ以外に聞きたい事は無い。」 「じゃあ、今度は私が質問する番ね。まずは・・・」 「私の名はメディルの使い。長ければメディルで結構。肉弾戦はともかく、知能や魔術ならばその辺の者には劣らぬ。」 「そ・・・そう・・・それはそうと、あんたさっき異世界って・・・」 「そうだ。信じられぬだろうが、私は異世界から来た。」 メディルが先ほどから妙に大人しいのには理由があった。 一つは彼らの間で取り決められている掟だった。 それは「魔法により召還された場合、いかなる場合であっても召還者の命令は絶対である」というものだった。 たとえば「どうくつまじん」という同胞が彼の者より明らかに格下の存在に従っていたのはこの掟のためである。 これが只の掟ならば、従う必要は無かったのだが、彼が崇拝してやまないかつての主君の作った物であれば話は別だ。 もう一つは今すべきことがないからだ。 本来なら、生き残った以上すぐにでも彼の主君を蘇らせたい所だが、その方法は1つしかなく、この世界はおろか、あちらの世界でも不可能な方法だった。 忠誠を忘れたわけではないが、いつまでも死人(?)に義理立てしてても仕方がない。 彼は忠義には篤かったが、不可能なことはあっさりと切り捨てるタイプだった。 「何か証拠があるの?」 「これでどうだ?」 メディルが杖を振るうと、床に魔法陣が現れ、そこに青いゼリー状の生物が出現した。 「私の世界のスライムという生き物だ。この世界にはいないであろう?」 「ええ・・・こんなの初めて。」 もう一度メディルが杖を振るうと、スライムとか言う生き物は霧のように消えていった。 「あ・・・」 「心配するな。元の場所へ戻しただけだ。」 「そう。あ・・・そうそう。」 「何だ?」 「これ・・・洗濯しといてくれる?」そう言ってルイズは自分が今しがた身に着けていた物をメディルに投げてよこした。 「・・・よかろう。」 「そう。じゃ、お休み。」 そう言い残して、メディルの新しい主は驚くべき速さで眠りについた。 メディルは大渦を起こす呪文・メイルストロムを最小限の規模で発動させ、そこへ衣類を放り込んだ。 かつては魔王配下最強の呪文の使い手として名を馳せた自分が、今では人間の小娘ごときの使い魔として洗濯までやらされるとは・・・ つくづく皮肉なものだな・・・彼は心の中でそう愚痴った。 次回へ続く 前ページ/ゼロの使い/次ページ